介護老人保健施設 しょうわ
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40 働き方改革

 人はなぜ働くのか。社会がまだ貧しかった頃は、生きていくために人は働いた。明日食べる米のために日の出から日が沈むまで働いた。その日一日暮らすために働いた。少し豊かになってからは、食べることが満たされたので、お金を貯め身の回りの生活を便利にするものを買うようになった。白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機。もっと豊かになると車、マイホーム。欲しいものを手に入れるために人は働いた。

 そして、あら方欲しいものが手に入るようになった今、人はなぜ働くのか。人は今も生活の糧を手にするために働く。ただ糧は米ではなくなった。ではそれは何。それはやりがい。社会の中における自分の居場所と役割を求めて人は働く。社会の中で認められ、承認されるために人は働く。有償、無償のいかんを問わず人は社会に認められるために働いている。

 20年ほど前は、飲み会の席で上司のグラスが空になる前にビールを継ぐのは当たり前のことだった。10年前にはその文化はすたれていき、代わりにジョッキビール(いわゆる生ビール)が隆盛となった。まれに気付いて「次何にしますか?」と聞いてくる部下もいるが、ジョッキが空いたら自分で頼む。気を遣わない部下にイラっとしないように、まあこんなものかなと思うようにした。

 いまは一人で飲むのがいい。誰にも気を遣わず。場が「しーん」としても盛り上げる必要もなく。あっ、ひとりだから初めから場は「しーん」としてますな。「おかわり下さい」と、自分のペースで飲むことができる。そうね、1時間から1時間半。2時間以上飲むと酔いすぎる。何せ短期集中型の飲み方だから。

 と、思っていたがどうもここのところ、人類はまた新たな進化を遂げつつあるように思う。ちょうど私の少し下の世代が、新人類なる進化を遂げたが、さらに進化を遂げようとしている。

 気をつけて。“気の利かない”奴らが増殖している。やつらは“働いてやっている”オーラ全開だよ。働かなくたって生きていける奴らなんだから。働かなくったって親が何とかしちゃうんだ。ひきこもり?“そんなのかんけーねー”よ。“人それぞれ成長する時間は違うんだ”って、30過ぎまで閉じこもっていたやつが言ってたよ。でもね、桜は春まだ早い時に咲き、秋桜は秋に咲くんだ。一番輝く時分があるんだ。それぞれの時分は自分だけでは決められない。湿度や気温や雨や太陽やいろいろなものが絡みながら、その時が来ると輝くんだ。自分の都合だけでは決められない。周りにお伺いを立てて、周りがいいよと言ってくれてはじめて輝けるんだ。

 「働かせていただいている」から「働いてやっている」時代になった。過労死が問題になっている。長時間残業は私も反対。残業はなくしたいと思っている。企業として取り組まなければならないことはこれからも取り組んでいく。たとえば、車いすの利用者の着脱介助。多くの施設では2人介助をしている。でも普段の生活リハビリ、椅子と更衣台の工夫で一人介助ができる人がたくさんいる。一般家庭浴槽でほとんどの人は入浴できる。残存機能を引き出す生活の中で、24時間リハビリを行うことで介助量が減る。これが介護分野のイノベーション。生産性の向上。残業時間削減のための業務改善。たまに「残業ゼロ」をうたって職員募集する施設があるけど、業務改善がサービス低下によってもたらされたものだったら・・・。

 「働いてやっている」人達はいつも受け身だから、与えられたものを与えられたとおりにしか使わない。「こうしてみようかな」とは考えない。残業しないために業務効率を改善することを考えなければならない。サービスの質を上げつつ業務効率を高め、残業をしないためには工夫と努力が欠かせない。考えるためには、些細な変化、小さな問題に気付かなければならない。気付くためには日ごろから気を遣って生活しなければならない。気を遣うから人に相談もできる環境になるし、気を遣うから何かの時には周りが気を遣う。

 「気配り、心配りの行き届いた職場づくりに努めます」

 まずは、毎朝唱和している言葉の意味を理解しなければならない。